凍頂烏龍茶
凍頂烏龍茶の外観は丸まっています。

台湾土産の代名詞といっても過言ではない凍頂烏龍茶。そのふるさとである台湾南投県の凍頂山は台湾中部山地に位置し、海抜はそれほど高くありませんが、霧が発生しやすく日較差が大きいというお茶の栽培に適した条件を持つ台湾烏龍茶の主要産地のひとつです。凍頂山で生産される烏龍茶が持つ独特な香・味・色は多くの人から愛され、故に「烏龍茶」は「凍頂烏龍茶」のことだと思っている人も少なくありません。たしかにこのお茶こそが烏龍茶の基本であり洗練された台湾の職人技の結晶と言えます。凍頂烏龍茶の素晴らしさの秘密は凍頂山の自然環境にも関係しています。一年を通して温暖で涼しく、適量の雨と霧が降る土地は茶樹栽培に理想的な土地です。さらにその土質は保水力が高いうえに植物の発育に有益な成分を多く含んでいます。凍頂という烏龍茶で世界的に名を馳せた小さな村はお茶の生産地として一世紀以上の歴史を誇っています。時は清王朝にさかのぼり、初郷村(現在の南投県鹿谷郷)の村民林鳳池は幼い頃から勉強が大好きでした。林鳳池は親戚友人からの資金的援助を受け、故郷の期待を一身に背負って遠く福建へ科挙の試験に赴いき、見事合格して台湾に帰ることになりました。故郷に錦を飾る彼のために福建の親類がお祝いの土産として贈ってくれたのが、福建武夷烏龍茶の苗でした。村に帰った林鳳池はその苗木を親類縁者友人たちに分けましたが、凍頂山で育てられた茶樹だけが繁殖に成功して生き残りました。さらに約40年前に文山包種茶の若い職人たちが移住して作り方に改良を加えたことから、発酵度が低く形が丸まった香気の高い現在の凍頂烏龍茶が誕生しました。毎年4月から11月まで春夏秋冬4つの季節にまたがって茶園では、菅笠をかぶり茶籠を背負った女性たちが忙しく働く姿を目にします。摘まれた茶葉は太陽の下で乾されて適度に水分を蒸発させられた後、攪拌、熱炒、揉捻、風乾など煩雑な処理がほどこされ完成品となります。凍頂烏龍茶には季節によって、春茶、夏茶、大小暑茶、秋茶、冬茶があり、それぞれの季節の特徴を反映した味を楽しめますが、なかでも春茶はお茶愛飲者から大変好まれています。

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お茶を注いだあとは茶葉が急須いっぱいに広がります。