
昔むかし、南京の町に母親と息子親子二人で睦まじく経営するお茶屋さんがありました。
息子の趙成は親孝行で優しい青年でした。
ある年、趙成は茶葉を仕入れるために出かけ、出かけた先の安徽泰平で貧困に苦しむかわいそうな母と娘に出会い、見るに見かねて、持っている銀子をすべてあげてしまいました。その一部始終を見ていた老人は、趙成の人柄に感心して自分の娘を娶らせることにしました。
猴魁は大変聡明な娘でした。
新婚の夜、猴魁は不思議な夢を見ました。夢に仙人が出てきて言うことには、山の一番高く狭い場所に一株の特別な茶樹が生えており、その葉はどんな病気も治してしまうと。
翌日、猴魁は夢のお告げを信じて、山に登りました。はたして仙人が指示したとおりの場所に茶樹は生えておりました。茶葉を摘んだ猴魁はその茶葉が必要になる時までだいじにしまっておくことにしました。
趙成が南京に帰る日がやってきました。
趙成は猴魁と義母を連れて南京に向けて出立しました。一行が都を通りかかると、あちこちに皇帝が娘の病気を治すために、良医良薬を求める看板が立っています。猴魁はそれを見てはたと思いつき、茶葉を夫に渡して宮中に参内するようすすめました。趙成が参内してお茶を献上すると、どうでしょう、内親王はこのお茶を飲んで重い病から回復することができたのです。皇帝は驚き喜んで、このお茶の名前をたずねました。趙成は機転をきかせて、猴魁茶ですと答えました。
このときから猴魁茶の名声は広く大陸にとどろき、悠久の時を経てその名を留めました。